長く日本に在住し、今後も住み続ける予定の外国人の方は、「永住申請」「帰化申請」をご検討の方も多いかと思います。

永住と帰化の違い

一番の違いは「日本国籍」を持つかどうかです。

・永住=外国人として日本に住み続ける
・帰化=日本国籍を取得する

あまりピンと来ないかもしれませんが大きな違いがあります。

帰化することのメリット

日本のパスポートが取得できる

日本のパスポートは世界最強と謳われ、現在、世界最多であるビザ(査証)なしで193ヵ国に渡航できるものとなっています。
査証免除国でない地域の方は、旅行であってもその都度申請せねばならず、旅行も気軽に行けません。
日本人にとっては当たり前のことかも知れませんが、パスポートさえあれば多くの国へ気軽に行くことができるというのは大変凄いことです。

再入国許可が不要となる
在留資格を持って日本に在留している外国人の方が一時的に出国し、再度戻ってくる際には再入国の手続き等が必要とされます。
一度きりの許可と期間内の許可の2種類あるのですが、これらは永住者の方も必要となっています。
しかし、帰化の場合には不要となっており、日本人と同等に扱われます。

選挙権を得ることができる
日本の選挙において、選挙権・被選挙権が得られます。
こちらも永住者には与えらていません。
日本の政治に参加できるというのは帰化して日本国籍を取得した者の権利といえるでしょう。

他にも、日本名を持つ事ができる・日本の公務員になることができる等も挙げられます。

帰化のデメリット

元の国籍を失ってしまう

日本では二重国籍は認められていないので、元の国籍は失われます。
元の国籍に戻るのが難しい場合もあるので、一生の選択かもしれませんので慎重に考えましょう。

母国への渡航が面倒になる

日本と査証免除となっていない国の方の場合、母国へ帰るのに査証の申請が必要となる場合があります。
しかし上記は、世界最強と謳われる日本のパスポートが取得できるので殆どの方は当てはまらず、ごく一部かと思われます。

帰化申請の要件

帰化の為の要件はいくつかあります。

  • 居住要件
    引き続き5年以上日本に居住していること。
    「引き続き」とありますので永住と同じく90日以上連続して海外に居た場合や年間の半分以上を海外で過ごしていた場合等には途切れてしまいます。
    もし途切れてしまっっている場合はリセットされてしまうのでご注意ください。
    また、こちらは単独での申請の場合です。配偶者が日本人である等の場合、年数は緩和されます。
  • 収入要件
    日本で安定して生活できる基盤があるかどうかをみられます。
    目安として年収がおおよそ300万程度あれば良いとされています。
    配偶者が日本人である場合で主婦をしている、等であれば本人の収入要件は問われません。
    しかし世帯として見られますので旦那さんが満たしている必要があります。
  • 素行要件
    犯罪歴がないか、また年金や住民税等をきちんと納めているかがみられます。
    サラリーマン等で会社がきちんと支払っている場合には問題ないでしょうが、確認しておきましょう。
    数年後に永住や帰化を検討している方は今からきちんと整えておく必要があります。
  • 日本語能力
    小学校2~3年レベルの日本語能力を必要とされます。
    帰化申請では法務局において面談もあり、日本語でやり取りする必要があります。
    また、読み書きについても簡単なテストがあります。

まとめ

帰化申請は在留資格申請と違い、「出入国在留官管理局」ではなく「法務局」での手続きとなります。
先述したように、日本語能力のチェックや面談等もあり、用意すべき書類も多くなります。

また、帰化申請の相談は法務局の窓口にておこなわれていますが、予約制となっています。
もしご自身で申請をお考えの方は管轄の法務局へ電話で確認してみると良いでしょう。

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