アポスティーユ認証手続きの方法
国際結婚をはじめ、外国での手続きの際に日本の公文書や私文書を海外の機関に提出する際には公印確認やアポスティーユ認証を受ける場合があります。
目次
アポスティーユと公印確認との違い
簡潔に申しますと、「ハーグ条約締結国であるかないか」の違いとなります。
ハーグ条約加盟国→アポスティーユ認証手続き
ハーグ条約非加盟国→公印確認手続き
となります。しかし、一部ハーグ条約加盟国であっても公印確認を求められる場合があります。
事前に提出国の領事館にて確認するのが良いでしょう。
公印確認の場合は「外務省の証明取得→領事館認証」という手続きになりますが、アポスティーユの場合では領事認証が不要となり、外務省における証明取得のみで提出が可能となっております。
証明できる書類
アポスティーユにて証明できる書類は日本の「公文書」に限られます。
【発行機関】 | 【主な書類例】 |
国等の機関 | 登記簿謄本・犯罪経歴証明書・住居者証明など |
地方自治体 | 戸籍謄(抄)本・住民票・納税証明書など |
公立高校・中学高・小学校 | 卒業証明書 |
国公立病院 | 診断書 |
公証役場 | 公証人の認証を受けた私文書 |
上記が主な例として挙げられます。
しかし、上記書類でも注意点がいくつかあります。
書類の注意点
【証明書としての注意点】
- 発行日付の記載があること(3ヶ月以内のもの)
- 発行機関の記載があるもの
- 公印が押されていること
まずはこれらを確認しましょう。
また、加筆も当然いけませんし、書類が複数枚に渡る場合でホチキス等で止められている場合、それらを外すこともNGです。
私文書の場合
「アポスティーユは公文書に限られる」ということは私文書はすべて公印確認になるのか?
という疑問が出てくるかと思われます。
答えは、「公証役場にて認証手続きを経れば公文書として提出可能」となります。
もちろん全ての私文書が可能な訳ではありませんが、「私立の学校」の卒業証明書等はその例として挙げられます。
また、大きな注意点として、「公文書でも翻訳をつけた場合は私文書」として扱われます。
提出先に原本のみではなく翻訳文も付すことを求められている場合は、公証役場での認証手続きが必要になりますので注意しましょう。
申請に必要なもの
アポスティーユの認証申請は外務省領事サービスセンターにて行われます。
外務本省及び大阪分室、どちらでも可能です。
窓口および郵送でも可能ですが、郵送申請を推奨しています。
※2023年1月現在、コロナの影響で緊急時以外の窓口での申請を停止している場所もあります。
【郵送先】
・外務本省
〒100-8919 東京都千代田区霞が関2-2-1 外務省南庁舎1階
外務省 領事局領事サービスセンター 証明班
・大阪分室
〒540-0008 大阪府大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館4階
外務省 大阪分室証明班
【必要なもの】
- 公文書(発行日より3ヶ月以内)
- 申請書(アポスティーユ申請書/申請書記入例)
※2023年1月現在のものです。変更される場合もありますので最新のものは外務省HPにてご確認ください。 - 身分証明書(運転免許証等)
※窓口申請の場合のみ、郵送では不要 - 委任状 (※代理人が申請する場合のみ)
- レターパック(返送用)
上記が必要となります。
郵送の際にはレターパックを使用し、返送用レターパックも同封します。
同封する返送用レターパックには自身の返送先の氏名・住所等も記入するのを忘れないようにしましょう。
また、郵送の場合は1週間〜10日程度かかりますので、スケジュールに余裕を持って進めましょう。
どうしても緊急を要する場合には、事前に外務省に電話相談をし、窓口申請・翌日窓口受け取りが最短で取得可能です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
まとめますと、
- 提出先の国がハーグ条約締結国か
- 公文書なのか私文書なのか
①によって公印確認なのかアポスティーユなのか、②によって公証役場での認証手続きが必要か不要か判断します。
アポスティーユは郵送で行えるので難しくはないですが、面倒な場合は委任も可能です。
私文書の場合の手続きについてはまた別の機会にご紹介いたします。